「エコ大国・日本」の幻想
- インフォース
- 7月15日
- 読了時間: 3分

私たちは“清潔さ”の代償を、見ないふりしていないでしょうか
レジ袋の有料化、マイボトルの普及、環境を意識した企業の取り組み……。
日本は「エコな国」だと、多くの人が信じて疑いません。しかし、その裏側にある数字や現実を、どれほどの人が知っているでしょうか?
本記事では、見落とされがちな日本のプラスチックごみの真実と、それが私たちの川と海にどのような未来をもたらすかを紐解きます。
あなたの購入が、持続可能な未来をつくります。
日本は“プラスチック大国”
OECD(経済協力開発機構)の報告によると、日本人1人あたりの年間プラスチックごみ排出量は約38kg。アメリカ(221kg)やイギリス(99kg)に比べると少ないように見えますが、それでも世界有数の排出国であることは間違いありません【OECD, 2022】。
特に注目すべきは、日本全体で排出されるプラスチックごみの総量。国土が狭く、焼却に頼る国としては、あまりにも多すぎるのです。
「リサイクル先進国」の誤解
日本はしばしば「リサイクル率が高い国」として紹介されます。その数字は、なんと約87%。しかし、この数字には大きなからくりがあります。
実際に原材料として再び使われるマテリアルリサイクルはわずか約20%で、残りの多くはサーマルリサイクル」(=焼却処分による熱回収)となり、また15%は、ほかのアジアの地域に対して産業廃棄物を焼却販売しています。それはサーマルリサイクルでもありますが、プラスチックのごみの受け入れは2017年に中国で禁止になるなど、近年になって受け入れが困難になりつつあります。
見落とされている「川」の存在
日本の国土の特徴を見てみましょう。
山が多く、都市部でも短く急勾配な河川があらゆる場所を流れています。これが意味するのは、たった1つのごみも、海まで“速く到達してしまう”ということです。
例えば、東京・大阪・福岡といった都市圏の排水路や用水路は、雨が降るたびにプラスチックごみを集め、川へ、そして海へと押し流します。
国交省や環境省の報告によれば、日本の河川網は総延長で37万km以上。これは地球9周分に相当します。私たちは気づかないうちに、川を通して海にごみを届けているのです。
「何もしなければ」2040年の未来
国際機関 Pew Charitable Trusts と SYSTEMIQ による調査レポート『Breaking the Plastic Wave(2020)』では、このまま何の対策も取らなければ、2040年までに海に流出するプラスチックごみの量は現在の約3倍に膨れ上がると予測されています。
しかも、日本のように河川が多く、プラスチックの“インフラ整備”が不十分な地域では、この影響を加速度的に受ける可能性が高いのです。
では、私たちにできることは?
「でも私1人が変わったって、意味があるの?」
そう思う方もいるかもしれません。けれど、使い捨てを減らすこと、再利用することは、確実に“海に届くごみ”を減らします。
1.使い捨ての袋や容器をやめ、繰り返し使える製品を選ぶ
2.デザインだけでなく、修理できるか、補充できるかを選択基準に加える
3.必要なものを、必要な分だけ、丁寧に使う
私たちは今、「消費のあり方」そのものを問い直す転換点にいます。
再利用することが、新しいラグジュアリーになる
“何度も使える高品質”という選択。
それは単なる消費ではなく、意思ある行動です。
「このバッグは高かった。でも3年使ってる」
「このボトル、100回は洗ってる」
そんなふうに語れるモノを、これから増やしていきませんか?
当店では、修理可能なプロダクト、リフィル対応のアイテム、長く使える本物志向の道具を揃えています。それは“きれいごと”かもしれません。でも、何もしないより、ずっとましです。

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